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たま号

私の頭の中の消しゴム

今、すごく観たい映画のひとつ。
公式HPで予告編を観た。
それだけで泣けた…(ノД`)

HPのどこかに監督から
「ただのお涙頂戴作品にはしたくない」
という趣旨のコメントが寄せられていたが
若年性アルツハイマーに侵された
女性とその夫の物語。
ハンカチは必須だろうなと予測。

そして…アルツハイマーというと
どうしても同居していた祖母を思い出す。
もう15年近く前の事になるが
アルツハイマー型痴呆症を発症した祖母を
自宅介護していた頃の強烈な記憶が
よみがえってくる…。



はじめは気付かないほどの頻度で
たま~にボケた状態が訪れる。
いわゆる「まだらボケ」状態。
日中は仕事で家に居なかった父は
まだらにボケている祖母を見ていないため
信じたくないという気持ちもあってか
現実をなかなか認められずにいた。
必然的に家族内で温度差が生じた。

当時はアルツハイマーという言葉も
痴呆症(今は認知障害か)という病気も知名度が低く
福祉支援も手薄な市だったので
自宅介護は困難を極めた。
昼ドラで見るようなそれはそれは
ひどい誤解をご近所さんや親戚からも受けた。
当然自宅に友達を呼ぶことも出来なかった。

そして徐々に正常とボケの比率が逆転し
祖母の頭の中の消しゴムによって
真っ先に消されてしまったのは
実の息子である父の顔と名前だった。
現実は残酷だ。涙も出ないほどに。

我が家の場合、介護の担い手は
もっぱら「嫁」である私の母。
一番近くで祖母を看ていた母の顔と名前を
祖母は最期の最期まで忘れなかった。
血のつながりのない他人なのに…。

当時受けた説明によれば本人にとって昔の記憶
(祖母の場合、戦時中や子供の頃の記憶)
は比較的消える順番が後らしい。
ついさっき食事をした事実などはすぐに消えちゃうのに
戦争中にどんなに辛い思いをしたかなどは
私にいつも語っていた。

発症後、約6年ののち
最終的に死に至った原因は胃ガンだったのだが
末期ガンの苦しみさえもうわからない状態だったので
目を閉じた祖母の顔は微笑を浮かべ穏やかだった。

今ではお盆に迎え火を焚く際に

「おばあちゃん、ちゃんと家の場所覚えてるかなぁ?」
「間違えてよその家に帰ってるかもね」
「大丈夫だよ!何かいろいろ守ってくれてる感あるし^^」

こんなほのぼの会話が出来るようになった。
時間が解決…と言えば聞こえが良い。
でも、人間全てが持つ「忘れる」という機能は
残酷でもあり幸福でもあると思う。

長くなってしまったがこの辺で おしまい。
(^0^)絶対観に行くぞぉぉぉぉ!!
by tama-gogo | 2005-10-22 02:14 | 本・映画・音楽
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